【PJ紹介】森が学校計画産学共同研究会

By flab, 2017年1月27日

森が学校計画プロジェクトリーダーの大谷美帆です。
この記事では「森が学校計画産学共同研究会」についてのご紹介をしたいと思います。

森が学校計画産学共同研究会では、ナチュラリストのC.W.ニコル氏が掲げる「自然からの学び」を基とし、C.W.ニコル・アファンの森財団、株式会社岡村製作所、三協立山株式会社、NASCA一級建築士事務所、東京学芸大学名誉教授小澤紀美子先生、株式会社エスイー/東洋大学客員教授中村賢一先生の共同のもとに、次世代の学校のあり方を研究しています。

プロジェクトの根本的な考えである「森が学校計画」とは一言でいうと「地域全体を学校とする」ことを目指す計画です。

山や川、海、生き物などの「自然環境」から農業や漁業といった「生業」まですべてが「先生」となって学びを与えてくれるものであり、学ぶ場所は校舎の中だけだとは限らないと考えています。

森が学校計画イメージパース

研究会の取り組みの一つとして、宮城県東松島市の小学校を再建する計画があります。
東日本大震災の際に甚大な津波の被害を受けた小学校の再建にあたり従来のような普通の小学校ではなく「森の学校」をつくろうという、C.W.ニコル・アファンの森財団・震災復興プロジェクトの計画です。

研究会では2013年度から、実際に東松島市の小学校校舎の裏の森に点在する教室の設計・施工を行っています。
森の道とともに段階的に計画を行っていき、道は馬が歩くことにより徐々に整えられ、同時に森の教室も完成していく。子どもたちは小学校の裏手から、ツリーハウスに至るまでの道の中でも森を感じ、森を知りながら思い思いに楽しみ、学習することができる。
そのようなストーリーを考えながら、マスタープランを作成しました。

復興の森イメージパース

2014年には街と海を眼下に一望する「うまのひづめ展望デッキ」
海と街を眼下に一望する場所にあるモミの木の下で、森からこの地域の景色を見守り、記憶を語り継ぐ場としてつくりました。

うまのひづめ展望デッキ

2015年には、中に座るとたくさんの森の音が集まってくる「森と対話する場所(サウンドシェルター)」が完成しました。
谷状の静かな敷地に、森の音を聞きながら自分の心を見つめ、被災体験を語らい、心の傷を癒す場所として作りました。小鳥の鳴き声、葉の揺れる音、動物の歩く足音など、多くの音がこの施設の内部に集まってくるように設計をしました。

森と対話する場所(サウンドシェルター)

これらは設計から施工まで一貫して主に古谷研究室が担当し、企業やNPO団体、地元住民などあらゆる主体の協同のもとに、「うまのひづめ展望デッキ」、「森と対話する場所(サウンドシェルター)」ともに、セルフビルドで製作を進めました。

朽ちても全て自然に還るように釘を一本も使わなかったり地域の生態系を守るために、重機のように地面を傷つけることのない「馬搬(ばはん)」によって材を運んだり施工のプロセスも「森が学校」のコンセプトのもとに行われました。

馬搬の様子 イメージ図

2016年からは、森への入り口として、遊歩道と円形広場を兼ねた「森の劇場」の設計を進めています。小学校校舎内にとどまらず、森の中で授業や観劇などを行うことで、森を身近に感じるきっかけになることを考えています。

森の劇場イメージパース

その他にも、研究会の意義と研究内容を広く知ってもらう活動の一環として、早稲田大学大隈講堂で『「森が学校」計画 シンポジウムと森の音楽会』を開いたり、

2015年度実施 「森が学校」計画 シンポジウムと森の音楽会 イベント風景

都内の小学校でワークショップを開いたりと、様々な活動をしながら研究を進めています。

ワークショップ様子

本プロジェクトの大きな特徴は、
①地域全体を学校ととらえた「森が学校」に対して、様々な企業・団体・教育機関の共同のもとに、次世代の学校のあり方研究を行いながら実践をすることで、本格的に取り組むことができる
②実際の設計や、セルフビルドで行う家具から建築スケールのものの制作に携わることができる
ことです。

共同研究を行っている企業・団体・教育機関のみなさまには日ごろから貴重な機会をいただき、研究室学生一同改めて心からのお礼を申し上げます。

以上、森が学校計画産学共同研究会に関する紹介でした。

修士1年 大谷美帆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です