皆さんこんにちは。古谷研究室の修士2年内田です。
先日瀬戸内国際芸術祭開催のお知らせをしましたが、今回はその完成までの様子をお送りします!
去年の8月から構想を始めたシシ垣ですが、作業環境の整備から工具の使い方まで、沢山の人に支えて頂き完成できました。
本当にありがとうございました!!それでは、シシ垣完成ものがたりご覧ください。
シシ垣プロジェクトの構想がスタートしました。
シシ垣は古谷研究室と堀越の皆さん、庭師の三浦先生、イノシシ研究家の堂山先生にご意見を聞きながら進めていきました。
重要なのは、イノシシが下をくぐらないようにすること、竹が腐らないようにする事、そして町の人が集えるようなものにする事です!
デザインを皆で提案し、堀越の人たちと話し合い、形を決めていきます。
竹を編んだり組んだり色々な提案がありましたが、1番をベースに進める事になりました!地区の人が普段から使える大きなベンチのようなシシ垣です。
囲うのではなく人の活動の範囲を広げて臆病なイノシシが人里の方に出てくるのを防ぎます。
竹には切り旬があり、竹が冬眠している時期に切る必要があるという事で、竹きりを行いました!
寒い中での作業ですが、地区の方が沢山来てくださいました、、!
また、庭師の三浦先生に来島してもらい、古谷研究室の学生と堀越地区の方々に作り方をレクチャーして頂きました。
地区の方々に本当に助けられ、200本の竹を切り倒しました!
その後、三浦先生に教えて頂いたしのと番線で櫓をくみ上げ、3等分し、600本ほどの竹を夏に制作するときまでに山の中に櫓を組み保存しました。
夏に使用するまでに色が変わってしまうので、笹を被せて保存します。
いよいよシシ垣の施工スタートです!
まずは大引きの工事から始まりました。
高いところまで急な斜面を登って材料や工具を持っていくのも疲れますが、皆さんの協力もあって何とか作業スタートです!
大引きはシシ垣の重要な竹の座面を支持するものです。なるべく水平になるようにしています。戸川さんありがとうございました!
次はシシ垣の特徴的なウェーブを支える鉄筋の工事です。
横方向も縦方向も蛇行しているため施工はとても難しそうでした。
ここにこれから400本もの竹を括り付ける事になります。
丸岩さんありがとうございました!
小豆島に住んでいる業者さんにお世話になり、30Mの大きなシシ垣を支える土台をが出来上がりました!
鉄筋が終わると竹を組んでいきます。
竹の長さ、太さ両方ともなだらかに繋げるため1本1本印をつけて切っていきます。
役場の方にも炎天下の中手伝っていただきました。
本当に暑い中ありがとうございました、、、!
7月では半分まで竹をくくる事が出来ました!
のこり半分と、皆さんに来てもらうために手直しを8月に行います。
そしていよいよ、最後の施工出張が始まりました!
7月の続きで竹をどんどん組んでいきます。
シシ垣の全体像が出来上がると次は皆さんにシシ垣をお披露目するために、細かい穴をふさいだり、
枝払いが甘いところを落としたりなど、最終調整を行いました。
それでは8月の施工の様子をご覧ください!
2チームに分かれて竹を組んでいきました。ウェーブ状になっているので竹の太さや感覚の微調整しながら進めていきます。
この山の土地を貸してくださり、また宿泊場所から何まで私たちの活動を支えて下さっている山本さん。毎日暑い中作業してくださいました。工具の使い方も至らないところがありましたが、山本さんに教えてもらいながら、作業を進めました。
さらにこえび隊の心強い協力もありました。一緒に製作できて楽しかったです。実はこえび隊のある方の地元のまちづくりに研究室の他のプロジェクトで関わっていたなんてこともあり、世界は意外と狭いのだなと感じたりもしました。瀬戸内国際芸術祭に出展することで様々な人と関わることができるのもこの大きなイベントの魅力の一つだなと改めて思いました。
端部にコーキング材を詰め、防水加工を施していきます。コーキングガンという道具を使って竹に開いてしまった穴に防水材を充填しました。一般的には窓のサッシや外壁の目地に使われる材料です。これも地元の大工さんにご指導いただきながら施工を行いました。
他にも、シシ垣の特徴である大らかなウェーブの形状を確認して切って調整したり竹を付け替えたり、また、竹が少しでも長持ちするようにと端部を丁寧に仕上げていきました。
最後に端部はやすりがけを行い、少しでも座りやすいようにしました!上端部も水抜き穴を開けるなど一つ一つみんなで対策を話し合いながら作品を制作していきました。
30Mの大きなシシ垣が完成しました~!大きなものですが、それぞれの場所にこんな使い方をしてもらえたら良いなと考えながら形状を決めて、最後まで調整しました。
特に海側の方は座面が大きな場所は是非座ってみてくださいね。堀越の家々と海の絶景が見えます!
また小豆島町の町長である塩田幸雄町長が完成を聞きつけて視察にいらしてくれました。
町長と古谷研究室メンバーで記念写真を撮りました!今までも沢山お世話になり、シシ垣プロジェクトでも何かと施工の時から山の上まで来て下さっていた町長にシシ垣と併せて絶景と言っていただきとても嬉しいです!
後ろには美しい瀬戸内海を望むことができます。奥には遠くの山並みがうっすらと浮かび上がる幻想的な風景が広がっています。
記念すべき一枚!!!青々しい竹とシシ垣の竹が対比されて両者が引き立って見える気がしました。
完成したシシ垣は堀越の浜道からも見る事が出来ます。瀬戸内国際芸術祭秋会期中の今では、写真右側の堤防にポワポワとゆれるなんとも可愛いのぼりが皆さんをシシ垣から写真展へご案内しています。
一通りの工程を終え、なんとか無事完成を迎えることができました。ご協力いただいた皆さんありがとうございました!!!!
シシ垣を作ることで沢山の方に出会うことができ、繋がりが出来ていったように感じます。シシ垣を通じて堀越の魅力発信のきっかけになれればと思います。
まだまだ秋会期は続きますので、是非足を運んで頂けると嬉しいです!
瀬戸内国際芸術祭に関する詳細はこちらから。
堀越ではシシ垣作りの作業ももちろん、それ以外の時間も全力で過ごしています!とっっても堀越の夏を満喫できました~!堀越の皆さんとごはんを食べて、釣りを教えてもらい、日中の炎天下の中での作業後には海で遊び、、、、豊かな生活を送る事ができました。
本当に堀越に来るたびに魚や野菜や果物を頂き本当にありがとうございます。皆さんの優しさのおかげでとっても楽しくシシ垣作りを終える事ができました。毎回の出張で皆さんとお話しして、遊んで、意見をもらいながら協働できる事がとても楽しみです!