【ゼミ紹介】地域デザインゼミ2019

By flab, 2019年1月29日

建築計画系卒業論文説明会に先立ち、古谷誠章研究室地域ゼミの活動内容についてご紹介いたします。

 

■地域デザインゼミ

古谷研究室では現在、複数の土地で地方再生を目的としたプロジェクトが進行中です。
本ゼミでは日々実践される各プロジェクトと連動しながら、ハード・ソフトを横断した地域デザインの手法論を構築していきます。具体的には、「地方都市再生モデル化研究」「協同のあり方やワークショップの手法に関する研究」「まちづくりに実際に関わるプログラムに関する研究」等があります。
地方都市再生モデル化研究
人口減少や産業の変遷の中で疲弊する地方都市の新たな生活環境モデルの構築に関する研究。
協同のあり方やワークショップの手法に関する研究
地域を活性化するために設計のプロセスを公開し、市民や他の分野の専門家と協同しながらプロジェクトを進めていく事の研究。
まちづくりに実際に関わるプログラムに関する研究
建築を専門とする学術機関の少ない地方において、次世代のまちを担う貴重な存在である中学生・高校生を「アーバンデザイン部活動」として組織化し、実際にまちづくりを行う研究。

3.11 の東日本大震災は、20 世紀的な資本主義社会の限界を露呈しました。それは平時においても人々のコミュニティや生活環境を再考する必要があることを物語っています。建築家は建築単体のデザインにとどまらず、広く社会に開かれたプロセスを踏みながら、持続可能な生活環境を模索しはじめています。
地域デザイン研究ゼミでは、これからの建築家の職能といったテーマも意識しながら、地域再生にとっていかなる手法が有効であるか幅広い視点から捉え、その手法論をまとめることを目的としています。

 

・古谷研究室における既往研究

2003 年 平田哲、稲垣淳哉
『学校建築研究:廃校リノベーションに見る学校制度・学校研究』
2005 年 平木康仁、山口雄一
『日本におけるリノベーションを媒介としたエリアの再生に関する研究』
2007 年 田中亜矢子
『地域拡張型学校建築研究:中山間地域島根県雲南市を事例として』
2007 年 墓田京平、高瀬真人
『市町村合併が小学校建築に与える影響:島根県雲南市25 校を事例として』
2007 年 丸山傑
『中山間地域における公共施設等の有効活用に関する可能性調査』
2008 年 石川悠介
『建築再生事業における主体の類型化とその役割に関する研究』
2009 年 小堀祥仁
『学校再配置が地域に与える影響に関する研究:分離新設校と統廃合校を事例として』
2011 年 久我淳子、武井光
『地域再生計画にみる施設活用の効果と可能性の研究』
2012 年 関根梨沙子
『-地域デザイン研究-エコミュージアムの計画手法と地域帰属意識向上の相関』
2013 年 鉄川ななみ
『転入者との共生と集落更新に関する研究 -小豆島町空き家バンク制度を事例として-』
2014 年 笹原千晶
『転入者の参画による観光産業の形成と波及効果に関する研究―北海道倶知安町を事例として―』
2015 年 本村友力
『制度・配置・空間から見る都市に分散する屋台に関する研究―福岡県福岡市を事例として―』
2016 年 万徳友里香
『集落を超えた祭事協力による社会的共同生活の維持―瀬戸内海周辺の櫂伝馬行事を事例として―』
2017年 青木 日向子、鈴木 優也
『地域住民による吉野林業の活性化への取り組みが地域ネットワークへ与える影響とその波及効果に関する研究』
2017年 糟谷 拓海
『シェアハウス居住者・運営者による共有木質空間の住みこなしと心理的効果に関する研究』
2017年 夏本 明彦
『生業の継承と景観保持の関係性及びそれらを通したまちづくりの研究  ー佐賀県有田町を事例としてー』
2017年 堀井 秀哉
『街道のゆかりを活かしたまちづくりによる地域間連携・交流の研究』
2018年 伊藤 弥季南
『就学前施設複合化による世代間交流促進のための建築・運営計画とその波及効果に関する研究 ー東京都23区を事例としてー』
2018年 堀部 美菜
『山車組による祭事の維持が地域持続性に与える効果 ―東日本大震災前後の祭事を事例として―
2018年 山本 昂平
『芸術祭運営における地域の役割とその活性化に関する研究』

 

■地域デザイン活動履歴

早稲田大学古谷誠章研究室では「地域デザイン研究ゼミ」を行っており、現在、地域再生デザインを目的としたプロジェクトが複数進行しています。

島根県雲南市において、空き家や遊休施設の改修・活用、地区行事のデザイン・ブランディングを行う「雲南プロジェクト」

他大学と協働して、新潟県・月影、千葉県・鋸南という2つの地域で廃校の改修や地域の魅力向上のための様々なデザイン提案を行っている「月影・鋸南プロジェクト」

優良材で知られる吉野杉・檜を用いたプロダクト、建築、ツーリズムまで幅広く提案を行っている「奈良プロジェクト」

空き家の活用や地域のリソースを活かした地区行事のデザインなどを通して、持続可能な地域づくりを目指す「小豆島プロジェクト」

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岐阜県養老市高田地区において、祭事等への参加を通じて、民家等の改修を行いながら地域の魅力向上を目指す「養老プロジェクト」

築80年を超える邸宅や旧役場庁舎を改修し、ワークショップを通して地域住民の居場所となるような活用法を探る「宿毛プロジェクト」「美濃加茂プロジェクト」

今年度始まったばかりの地域もある一方で、一番古いものでは10年以上継続して関わっている地域もあるなど、関わり方も様々です。

近年日本はいよいよ縮小社会に突入に、産業構造の変化や少子高齢化など地域社会の構造変化が見られます。また全国で空き家や有給公共施設が多く発生するなど、建築家はこれからの都市や建築のあり方を考える必要に迫られています。

本研究では、こうした地域に関する問題に意欲的に取り組もうとする地方都市や建築・都市デザイン関連機関と協働しながら、具体的な実践に基づいて、社会経済情勢の変化と共に地域が持っている価値を見直すことが可能な地域デザイン手法を模索し、さらなる提案につなげていきたいと考えています。

 

■2018年度 地域デザインゼミでの研究

就学前施設複合化による世代間交流促進のための建築・運営計画とその波及効果に関する研究 ー東京都23区を事例としてー

子どもの生育環境は今大きく変化しています。子どもにとって異なる文化や社会、価値観を理解・尊重するには様々な地域やそこに住む人々との交流を通じて人間関係を広げることが大切であるにも関わらず、子どもが日常生活において交流する大人は、家族と就学前教育施設の職員に限られている場合がほとんどです。 一方で、就学前施設が地域のコミュニティ拠点になる可能性も唱えられています。このような背景を踏まえ、就学前施設を高齢者施設や、地域住民も利用できるカフェなどと複合させ、世代間交流を促進させようとする施設が増えていますが、地域に開かれた施設を作るにはセキュリティの問題や運営の問題も多く存在します。本研究では、就学前施設複合化において、複合化によって期待される交流や効果を最大限に、複合化による問題を最小限し、世代間交流を促進するための建築・運営計画を探りました。

 

山車組による祭事の維持が地域持続性に与える効果 ―東日本大震災前後の祭事を事例として―

山車を使用した祭事の中心となる山車組が、地震や豪雨が発生した際に、どのように解決しているのかを調査しました。また、復興の際に見られる地域内外との関係は、どのように地域の持続に効果を与えているのか、考察しました。

 

芸術祭運営における地域の役割とその活性化に関する研究

日本における都市・地域の課題に対して、まちのなかで行われる 「芸術祭」が評価され、近年全国的に数を伸ばしています。しかし、本来各地域が 目指すべき差別化や価値の向上といった本質的な目的が欠如してきている傾向があるため各芸術祭を実施する意義や価値を再考するために本研究を行いました。資料調査の中で、浮かび上がった芸術祭を構成する4つの要素を芸術祭ごとに整理し、各芸術祭の地域活性効果の分析を行い、他地域への応用の可能性を考察しました。

 

■メンバー

研究指導:根本友樹

M3:伊藤瑛久

M2:青木日向子

M2:糟谷拓海

M2:工藤滉大

M2:鈴木優也

M2:夏本明彦

M2:堀井秀哉

M1:伊藤弥季南

M1:万徳友里香

M1:山本昂平

 

■連絡先

山本昂平:motoya26@gmail.com

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