こんにちは。修士2年の青木です。
奈良県奈良の木ブランド課と建築学科古谷誠章研究室では2010年以来、継続して奈良県吉野材(杉・檜)の活用を目指した継続研究・デザイン提案を行っています。
今年度は、前回の記事でご案内していた、東京・丸の内のKITTEアトリウムにて行われた奈良の木PRイベント<奈良の木∞すこやかな暮らし>において、奈良県産材製のブースのデザイン提案を行いました。
本記事では、1/25~27のイベント当日の様子をご紹介いたします。
今回のイベントでは「奈良の木の”健康効果”」をテーマとして様々なブースが設けられており、それを緩やかに繋ぐようなフレームのデザインを行いました。また、健康・遊びのスペースの木の玉プールとベンチ、ワークショップスペースのテーブルのデザインも学生で行いました。
それぞれのブースの様子、制作物についてご紹介いたします。
まずはじめにワークショップスペースです。様々な人が気軽に集まれるよう、角ばったフレームとは対照的に、有機的な曲線のテーブルを設置しました。高さの低い方には杉材を、高い方にはヒノキ材を用いることで、木目の違いを見せていて、実際に手で触れたり、匂いを嗅いだりしてくれている方も多くいました。また、イベントの時には作業スペースや客席として使われて、イベントがない時間帯にも休憩や談笑のスペースとして使われていて、常に多くの人で賑わっていました。
特産品や家具、小物の販売スペースには、棚付きのフレームを設置しました。節のない木だけでなく、節のある木も使ってその違いを見せることによって、奈良の木の様々な表情を見てもらうことが出来ました。また、構造材の105角や120角をそのまま使っていて、普段は見えない部分で使っている材の新しい見せ方の提案が出来たのではないかと感じています。
健康遊びのスペースには、ベンチと木の玉プールを設置しました。ベンチは山型になっていて、腰掛けるだけでなく寝そべることもでき、奈良の木の肌触りや香りの良さを全身で体感してもらうことが出来ました。木の玉プールは、他に遊べる場所が少ないこともあり、たくさんの子供たちが遊んでくれていました。また、子供たちだけでなく様々な世代の人にも楽しんでもらうことができ、健康や遊びの分野での木の活用の可能性を感じました。
会期中は、吉野杉バイオリンの演奏会や建築セミナー、奈良の木を使ったワークショップや吉野含む奈良県地酒・特産品の販売等様々なイベントが行われ、幅広い世代の方に「奈良」の木の魅力を知っていただくことが出来ました。
また学生もスタッフとしてイベントに参加させていただき、多くの方が木に関心を持ってくださっていること、また直接触れることを通して木の良さを感じていただけていることを実感することができました。特に、子供達が夢中になって遊んでくれていた様子が印象的で、そういった生の反応を知ることができ、学生にとっても奈良の木の魅力を再確認できる学びの多い機会となりました。
今年度は奈良県吉野地域の空き家を活用したデザイン提案を行う予定で、これまでの提案を活かしつつ、より多くの人に奈良の木の魅力を伝えていけるよう、引き続き研究を行っていきたいと考えております。
2018年度 奈良プロジェクト リーダー
修士2年 青木日向子